その昔、
日本は輸出立国と言われていました。
今世紀に入ってもまだ、
そう考える人は少なくないのですが、
21世紀に入った頃、既に少なくとも、
GDPの8割以上は内需で占められている
と聞いたことがあります。
国内の消費や投資が
GDP全体の80%を超えていた、
ということですね。
だから貿易はそれほど大切ではない、
という意味ではないです。
念のため。
ただ、内需が経済に与える影響が
圧倒的に大きいのは事実です。
現在では、
内需がGDP全体に占める割合は
90%を超えています。
これと関連しているわけでもないのでしょうが、
日本ではサラリーパーソン(雇用者)が
労働者全体に占める割合もまた、
8割を超えている、と
聞いたことがあります。
で、たった今、
Google AIで検索かけたら、
なんとこちらも90%を超えているとか。
ほぼほぼすべての労働者が、
雇用されている、ということですね。
あの生意気な部下も、
口さがないあの同僚も、
こちらを追い込むことに歓びを感じている、
…のではと勘繰るあの上司も、
あなたよりもずっと
高い給料をもらっているあの社長さんも、
そう、オーナー社長をはじめとする
自営業者以外は
だれもが雇用されている。。。
そんな世の中なんです。
★
かつて一般の人々にとっての
成功物語的なコースとして描かれていた、
良い大学
→良い会社
→年功序列で出世
→マイホーム
→多額の退職金
→悠々自適の老後
というストーリーが、
遠い過去になって久しく、
またそれを、
いまだに信じている人もいないでしょうが、
それほどに条件が悪くなった
サラリーパーソンの比率自体は
相も変わらず増加している。。。
自営業者が減少している、
ということでもあるのですが、
ともかく、
その理由を考えてみると…
経済的な事情、安定した収入が
難しい時代にあって、
サラリーパーソンはそれが得られる
(可能性が大きい)ということは、
容易に想像がつきます。
…でも、時代の影響があるにしても、
私自身が心の分野にいるせいか、
この裏側にもう一つ、
隠れた理由があるような気がするのです。
それは、
所属感、
ということです。
どういうことか。
時代を経るにつれて、
共同体も、その感覚自体も
徐々に薄れていく中で、
長い時間を過ごす場所の中で
人が求めるものの一つは、
承認欲求と評価です。
そして、
周囲からの承認欲求や評価を求める、
ということは、
ある種の支配権を周囲に与える、
ということになります。
だから、そのままの自分を
受け入れてくれる場所が
最も居心地が良い、
ということになるわけです。
長い時間を過ごす典型である職場では、
この支配権に基づく評価によって、
その場所におけるあなたの位置づけが
決まるわけで、
これはとても辛いことではあるのですが、
少なくとも、
完全に一人ぽつんと世界の中に
放り出されることにはなりません。
放り出された世界では、
もしかすると自らの存在さえ
否定否認される状況さえありえます。
人口減少と共に
経済が縮退かの傾向を示す中、
一人ひとりが自営する環境もまた
徐々に難しくなる感じが否めない…。
元来、組織は何かの目的のために
作られていて、
その組織を利用して自分なりに何かを
動かしていくために所属することが
組織を利用することになりますが、
とにもかくにも、
当座の生活が続けられることが
前提なのだから、
前述のとおり、完全に一人の世界に
放り出されることと比べれば……
不自由でも支配されても仕方ない…
そして、
…徐々に心が動かなくなっても
いくわけですが。。。
…
サラリーパーソンには常に不満が、
自営業者には常に不安がつきまとう、
と言われます。
これが事実なら、
不安よりは不満と同居することを
選択した人が増えた、ということになります。
先に、
人々がサラリーパーソンを選択する
隠れた理由として、
所属感を求める、と
書きました。
それは詰まるところ、
自分が認められている、
自分が満たされている、
という感覚が、
ますます得られづらくなっている
ということを、
人々が肌感覚で察知している、
ということではないかと思うのです。
それは、居場所を求める、
と言い換えてもいいかもしれません。
だから、例えば、
仕事に対する不満や
上司に対する不満は抱えていても、
もしかすると本当の不満とは
自分の存在そのものが
認められている感じがしない、
ということではないかと思うのです。
いっとき流行った言葉で言えば
見捨てられ不安による支配と言っても
いいでしょう。
ありきたりな言葉ではありますが、
実はそれこそが
仕事上の不満の本質で、
しかも、
不満は自分が認められてないという
不安に基づくものだから、
その居場所を失うのが怖くなっている。
大きなパラドクスが生じているのですね。
★
不満、そして、自己喪失感に基づく不安は、
評価への怖れからきていて、
それ故に動けなくなってしまっている。
まずはこのことを自覚すること。
自分が組織の中に
その意に反してとどまっている理由には、
こんな側面があるかもしれないことを
しっかりと認めること。
その故に、
自分がその意に反して、
今もその場所にいる。
そう考えると、
これは仕事、職場の話にとどまらない
ことなのかもしれません。
趣味の集まりも、
同窓の集まりも、
近所のママ友も、
あるいはもしかすると、
家族や恋人との関係でさえ
そうなのかもしれない、ということです。
本当は、
やりたいこともうっすらと思い浮かぶし、
試してみたいこともあるけれど、
そんな状態だからこそ
不満を抱えながらも
身動きが取れなくなっていて、
だんだん感じないように心を麻痺させている。
そこを解きほぐしていかないと、ですね。
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ー今回の表紙画像ー
『アナゴのアクアパッツァ』
釣りに行ったら60㎝クラスが7本も釣れてしまった。

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