ダメって何だろう。
ダメだな、俺。
ダメだな、わたし。
何で・・・。
ダメにもいろいろあるけれど、
根が深いダメは、ほっとかないほうがいい。
ちょっとしたことにもダメ出しするなら、癖がついているかもしれない。
どっちのダメも、かけがえのない自分には必要ない。だいたい、ダメな自分なんていない。
ダメだな・・・卑下するその感覚が自分を追い詰めるほど、反省や失敗を繰り返さないための学習とは根本的に異なる、自分を貶めるための行為だ。
たかが、と思われる方もいるかもしれない。そのくらい、と笑われる方もいるかもしれない。
でも、タバコと同じで、習慣化した“ダメ”は日々気づかないほどに蓄積を続け、ゆっくりと心を蝕んでいく。メタボという言葉がはやったことがあったが、心の生活習慣病は往々にして見過ごされがちだ。これは逆から見れば意識して変えていけることでもある。
「何やっても、ダメだな」
こんなセリフが口をついて出るようなら、即刻辞めるように手立てをつけよう。
ダメな自分。。。
ちょっとしたミスのことつぶやいているようでいて、その奥に「やっぱり」がある。
やっぱり、
仕事がうまくいかない
朝起きられない
人と衝突してしまう
体が動かない
すぐ切れてしまう
自分に焦点をあてるのはつらいかもしれない。つい人を、にっくき彼を、いつも心配ばかりかける彼女を責めたくなるかもしれない。でもそれは、何の解決にもならない。
感情が、体が、なんだかおかしい。
そんなときは、一度立ち止まって体を休めて、自分の内面をじっくりと旅してみよう。
ダメって決め付けてしまうと、その後も生き続けるために自分か他人のどちらかを攻撃するしかなくなる。
攻撃と言っても別に、罵声浴びせたり叩いたりすると言っているわけじゃない。一見するとへらへらのんびり生きているように見える人が、内心で自分にダメ出しばかりしていることはよくある話だ。もちろん多いのは、自分を不要に追い込むとか、他責に走ってヘイトスピーチやら他人攻撃に走って自分を顧みないパターンだ。
ダメって何だろう?
ダメっていうけど、解釈を変えればうまくいかないことが分かったというだけの話。
ダメ・・・。そこに至る手前に、『何か』あったはずだよね。
大きな『何か』かもしれないし、小さな『何か』の積み重ねかもしれない。でも、たいていは自分にとって不可抗力の『何か』だったりしなかった? あるいは、自分がやってしまったものだったとしても仕方がなかった『何か』じゃなかった?
私は両方あって何でなんだ、と悩んだこともあった。でも、これは別に大きさの問題でも数の問題でもない。
唯一問題なのは、あなたが自分を“ダメ”として扱ってしまったことだ。
ひどい!
仕事がうまくいかないことがいけないの?
朝起きられないことがいけないの?
人と衝突してしまうことがいけないの?
体が動かないのがいけないの?
すぐ切れてしまうことは・・・まあ避けた方がいいかな。健康上の理由からもね。
そういうの、その場に焦点をあてて解を探しても、根本的な解決には至らないと思う。
ダメって位置付けた自分はどうやってできたの?
大切な誰かのために、ちょっとばかり心身を痛めつけ、削ったからじゃないの? じゃなきゃ、そんなことで自分を貶める必要なんてないでしょ。
ダメの元、つまりそう烙印を押してしまった原因を遡れば、大切な誰かのために、もっと上へ、もっと高く、もっと先へ、もっと細やかに、もっと美しく、もっともっともっとと、あなたが歯を食いしばって体得した何かの負の対価=代償かもしれないよ。
それでもよかったんだよね。きっと、少なくとも喜ぶ誰かがいる、いつか喜んでくれる、そう思って自分のことを後回しにしてきたんだ。だとしたら、恥じる必要なんてさらさらない。
でもね、とても残念だけれど、もうそれは必要なくなってしまったことなんだ。皆が大人と言われる年齢に達しているんだから。場違いな場で誤ってつけている勲章は外した方が体が軽くなる。
そして、必要がなくなったのなら、これまで必死になってそうしてきた自分をしっかり抱きしめ、行為をおわりにしよう。しっかりと自分に寄り添うことができたことをもう一人の自分が感じ取ってくれたら、その時にはかけがえのない自分を生きることができるようになっている。そしてその生き方こそが、どれだけあなたが頑張っても届かなかった、もう一人の大切な人の幸せをも連れてくることができるかもしれないよ。
どんなに大切な人であったとしても、人のためにできることは限られている。大切な親、愛しい相手、最愛の息子や娘・・・。でも、大人となった彼・彼女のためにできることなんて、ほんとにわずかなことだ。いつも言うように、かけがえのない自分を生きることが大切なもう一人の幸せにつながる。
繰り返す。
ダメな自分なんていない。
ダメにしている自分がいるだけだ。
そうしてまで救いたかった、喜ばせたかった『大切な人』がいたんだ。
でも、これからは、あなた自身がその『大切な人』だ。
最近のコメント