コミュニケーション考察

書評

 

コミュニケーションについて少々。

 

コミュニケーションとは、

人と人が意思疎通を図る手段です。

 

ただ、意思疎通と一言でいっても、

伝えたいことの中には、

 

仕事内容の説明、

明日の待ち合わせ場所の連絡、

何となくの馬鹿話、

叱責を受けた時の言い訳、

恋の告白、

親の心配

 

伝えたいことはきっと

人やシチュエーションによって

無数にあり得ますが、

 

その真意を自分を崩さないように

伝えることに対して、

誰もが苦労しながら行っています。

 

巷には、

コミュニケーションをよくするための

様々な書物やセミナーがあって、

多くの人がそこに解を求めています。

 

それにしても、

なぜこれほど多くの人が、

自身のコミュニケーション力に対して

懐疑的になっているのでしょう。

 

というよりも、なぜ、

自身のコミュニケーションにそこまで

注目しているのでしょう。

 

 

多くの方が自身のコミュニケーションの

うまくいかない部分を切り取って、

 

自分はなんてダメなんだ、

どうしたら適切にこちらの意図が

伝えられるんだ、

 

と悩んでいます。

 

それは、意外なほどに長く深い

こだわりとなって

当人の中に巣食っているもので、

 

やがて悩み続けるうちに、

時に相手との間に衝突が起きたり、

伝え方の段取りに対して

明らかにミスをしたりして、

 

ますます自信を無くしてしまうという

負のループに入ってしまったりします。

 

そして、どうやったら○○さんと

うまくコミュニケーションがとれるように

なるのだろうという抽象的な悩みになり、

 

こんな言葉を使って、とか、

こんな言い回しをしてみて、とか、

順序をこう持ってきて、

 

といった、

おそらくはシミュレートなど仕切れない

状態に発散してしまいます。

 

巷で幅を利かせるコミュニケーション論は

仕事に関するものが圧倒的に多いと

思われます。

 

ビジネスは生活の糧に直結しますから、

むべなるかな、ですね。

 

でも、先に挙げた通り、

コミュニケーションはあらゆる場で

行います。

 

見ず知らずの人やお店の人とだって

必要に応じて何某かのコミュニケーションは

必要になりますから。

 

上司やお得意様との関係はもちろん、

好きな相手に良く思われたかったり、

大切な人に感謝を伝えようとしたり、

子供とスムーズに接しようとしたり、

 

などという想いがあるでしょう。

 

 

コミュニケーションには大きく

二つのパターンがある、

と言ったのは、

 

2005年に他界した知の巨人、

ピータードラッカー氏です。

 

ビジネスに関して、

部下が上司とコミュニケーションをとる際には、

 

話して聞く形と、

書いて読む形があり、

 

自分の上司がどちらに向いているかを

把握しなければならない、

という主張です。

 

とてもベーシックな話だと思いますが、

先にも述べたように、

コミュニケーションには、

 

それ以外にも、

様々な方法があるのはご存知の通り。

 

私たちは人生の大部分を会社の上司との会話に

つぎ込むわけではないですよね。

 

なぜなら、大切な人が

誰にだってあるから。

 

もちろん上司との間の

コミュニケーションの重要度が高いのは

サラリーパーソンが労働人口の

80%を超えると言われている日本では

多くなるのは仕方ないのかも

しれません。

 

なお、

コミュニケーションを意思疎通の手段とした

最初の説明から少し角度を変えて

表現すると、

 

自分を表現し、

相手の表現を受け取る

キャッチボールの繰り返しだ、

と言えると思います。

 

そして、

少なくとも1対1のコミュニケーションは

「ノンバーバル」、

 

つまり、

非言語による互いの読み取りあいが

多くの場合になされていて、

 

一説によれば全体に占めるノンバーバルな

コミュニケ―本の割合は8割を超える

とも言われています。

 

ノンバーバルとは例えば、

 

表情を変える、

手を動かす、

身体を動かす、

何もしない(身動きしない)、

ただ黙って一緒にいる、

踊る、

描く、

歌う、

楽器を弾く、などですね。

 

これらは少なくとも

ビジネス以外の領域では、

誰もが何がしかの形で使っているはずです。

 

いえ、場合によっては

ビジネスの領域でこそ

威力を発揮していたりすることも…。

 

その本質として、

自分と“誰か”を繋ぐコミュニケーションの

“誰か”の中には

 

自分も含まれていることは

理解しておいた方がいいでしょう。

 

逆説的ですが、

コミュニケーションでは受け手が理解して

初めて成立するもので、

 

しかし受け手が本当に理解できているかは

後にならないとわからないことが多く、

 

そんな時、少なくとも自分自身だけは

理解している必要があります。

 

余談というわけではありませんが、

 

もし、自分にとっての

もっとも理解しやすい、そして没頭しうる

コミュニケーション方法を

自分自身で理解しているならば、

 

それを仕事にするのも

納得する人生を生きていく上で

いいのではないかと思います。

 

 

コミュニケーションとは意思疎通の

手段であると書きましたが、

 

そこに階層があること

あまり知られていません。

 

ある意味当たり前なのですが、

それを分けて注目することの必要性です。

 

ここで特にお伝えしたいことですが、

 

階層とは、

直接コミュニケートする内容と、

その下に横たわる感情のことです。

 

伝えたい内容が感情の場合はもちろん、

ビジネスのように論理的な話の場合にも、

 

その根底には自分を理解してほしい、

相手にわかってほしい、

という感情が少なからずあるものです。

 

自分に対するその理解がないまま

コミュニケーションで伝えたいことばかりを

考えていると、

 

往々にしてうまくいかずに苦しみます。

 

もう一つ下の層に、

コミュニケーションをする理由と

そこで湧きあがる感情を有している自分がいて、

 

その自分との関係性を良くすることが

コミュニケーションをうまくいかせる

ことになることを

理解していただければと思います。

 

 

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ー今回の表紙画像ー

『夏の空』