生活習慣を決める思想の出入り口

日々の棚卸

 

生活習慣病の原因は、

日々の暮らし方、例えば

食べ物や飲み物など口に入れるもの、

運動の習慣、

睡眠時間や就寝時間、

仕事や家庭でのストレスなどが

大きく関係していることが、

今ではよく知られています。

前者は体内に入れ、

後者は情報を仕入れて実践しますね。

 

口に入れるものから注意すべきは、

脂質や糖質の取りすぎによる肥満や

血液循環の問題、

アルコールによる肝臓への影響や

せん妄など精神への影響でしょう。

肝臓や精神への影響には薬物もありますね。

運動不足はそういった影響に輪をかけるし、

そうでなくても一日デスクワークだったり、

最近のコロナの影響で広まった

リモートワークだったりなどは

運動不足の原因になりえます。

睡眠不足もまた、

新陳代謝や精神への影響が

明らかになっていますし、

覚醒時間中の集中力や

長期的な健康への悪影響も

ご存じのとおりです。

 

これをもう少し広げて考えると、

そんな生活をする羽目になっている、

世の中の見方とか、

社会的な価値観に

自分を合わせこもうとするような

自分自身の生き方、

及び

それを規定する自身の世界観、

そういったものが

実は生活習慣病の根源にはある

と私は考えています。

つまり、

生活習慣病とは決して

日々の生活上の食事や運動といった

行動面だけを指すのではない

ということが見えてきます。

 

いつもふさぎ込んでいたり、

苛ついていたり、

無気力にだったり、

体が動かなかったり、

誰かれなく腹を立てていたり、

自分は不幸だと嘆いていたり、

得体のしれない不安に震えていたり、

ひどいときには

全く必要のない心身の暴力を受けていたり、

そんな人がいます。

他者からは白い目で見られたり、

時にはあからさまに遠ざけられることも

会ったりするでしょう。

心底苦しいだろうなと思うし、

そういう人を見ると、早く気づくんだー

と思ったりします。

 

そんな状況が続く日々を

あたかも日課であるかのように

こなしているのだから、

これはもう

絶望の淵に追いやられて生きているのか

と思いきや、

当人は苦しいことだけは感じていながら、

どこかにずれた充実を感じていたり、

他に手段がないからとあきらめていたり、

ありもしない空想に逃げ込んでいたりしつつ、

これからもまだ

そんな生活を続けようとしている。

夫から罵られ続け、

上司から嫌味を言われ続け、

気が向くわけでもない食事を作り、

毎晩遅くまで食べていくための仕事をこなし、

そうこうしているうちに、

心身が周囲のあらゆるものに対する不信感で

包まれてしまい、

生活があるからと、

それを無視して生きているうちに

ただでさえ失い続けていた元気が

どんどんなくなってくる。

そんな生活環境を、

許してしまっているあなたの生き方、

そういったものもまた、

長年続けてきた、

この世界とはどんなところか、

人とはどういう生き物か、

自分とはいったいどんな存在なのか、

そんなことにに基づいて

日々を生きてきた末に習慣化してしまった

ある意味究極の生活習慣病です。

 

繰り返します。

その生き方を自分に許しているおおもとには、

その生き方を是としないまでも

あきらめとともに許容している自分がいて、

日常的に、苦しみや痛みで

のたうち回っているにもかかわらず、

許容を続けているということは、

そうしてしまうような感覚、世界観が

自分の体と心に刷り込まれたことがあった、

つまり、どこかの時点で

心の入り口を通して入ってきて

あなたの中に定着する機会があった

と思うのです。

入ってきたものがそのまま垂れ流しで出ていく

わけではないにせよ、

180度違うものにして出すわけはないはずで、

だとするなら、

入ってきたものを入り口で選択していて、

それがあなたの中で定着するほどに醸成され、

そんな出方となって、

今というときを演出してしまっている。

 

その言葉は、

その場面は、

その音は、

その行為は、

その涙は、

その怒りは、

その忍従は、

どこで自分の中に取り込んだのでしょうか。

なせそれを選択したのでしょうか。

それは変えられないものなのでしょうか。

というより、

変えたくないものなのでしょうか。

変えたいとしたら、

どうしたらよいでしょうか。

 

気づき、というより、

じっくりと考えれば

湧き上がってくる回答があるはずです。

それほど、あなたはずっと思い悩んできて、

今ここにたどり着いています。

表層意識では、

自分では何も変えられないと思いながらも、

とても苦しくて、どこかで限界を感じていて、

というより、

限界にしてしまいたい気持ちがあって、

それほどに

今の状況に生きる価値を感じていなくて、

何とかしたいと願う潜在意識に導かれて

今この場にいるわけです。

 

何が今の自分の生活を作っているのか、

何を失い、何を嘆き、何を取り戻したいのか。

一人になって静かに自問してみて下さい。

それが行き詰った自分を変えていく、

きっかけとなります。

 

ー今回の表紙画像ー

『午前8時の太陽』

暑い…。