2009年に、
お台場に等身大?のモックアップが作られた、
アニメ界の金字塔であるガンダム。
この作品で、“ニュータイプ”という概念が
提唱されていることをご存じの方が
どれくらいいるでしょうか。
有名と言えば有名な話なのですが、
ファン層が偏っている気もするので、
とてもよく知ってる人と、
興味ない・知らない人とが
きれいに分かれるかもしれません。
最初のテレビ放映が打ち切りになったのが
1970年代の終わりですが、
当時既に作品のキーワードとして
取り入れられていて、
以降、今日に続くシリーズの構成の
中核を担うテーマとなっています。
興味のない方、
この場にアニメなんぞ、という方、
苦しいんだから解決方法早く言え、という方、
そういった方々には申し訳ありません。
…が、ちょっとだけ触れさせていただきます。
好きな人にはあまりに有名な話ですが、
地球の周囲に浮かぶ衛星(コロニー)を
第二の故郷とする人類とがいて、
そのコロニーのうち、
地球から最も遠いコロニーが
ジオン公国を名乗って
地球連邦に対して独立戦争を挑んできた
というところから物語は始まります。
戦争の話です。
ティーンエイジャーの少年少女たちが
戦い続ける中で、“変化”していく様子、
特に、
非言語のコミュニケーション能力を
向上、というか獲得していく様子を
連邦もジオンも気づいていて、
その能力を獲得した人々のことを
ニュータイプと名付けました。
非言語のコミュニケーションですが、
いわゆるノンバーバル、
つまり、言葉以外の身振り手振りや表情、
目つきや雰囲気などによる
会話を意味するのではありません。
かといって、テレパシーほど明確な能力
というわけでもありません。
ジオンではこの能力を兵器として利用しようと
画策しています。
連邦のレビル将軍は、ニュータイプをして
『直観力と洞察力にたけた優れた人間のこと』
であり、
『超能力者のことではない』と言っています。
私たちが日々生きる中で
無意識も含めれば、
実はそれなりに使っている直感と
それに基づく行動は、
決して侮れないし、
実際、日常に寄与することも少なくありません。
何より、
使いこなすところまでいかなくとも、
日々の生活に多少なりとも
利用できるようにしたい、
と考えている人は少なくないでしょう。
ということは、
直感というものを、
それなりにあるものと信用しているし、
効果のほども実は
認めているということになるわけです。
これは、当然
日々の訓練というか、
繰り返し真剣に取り組む中で
少しずつ機能しだすもの
つまり、
修練によって体得するものだと思います。
なぜなら、直感とは
まだ整理されていない、
あるいは
意識されていない経験のことだからです。
直感を働かせたいことと言えば……、
道の選択、
購入するかしないか、
恋人や伴侶の選択、
入社する会社、
子供の学校、
出かけるかどうか……。
あれ?
直感が必要ないところなんて、実はない?
どうなんでしょう。
直感を機能させたい、
それは、悩み抱えたまま、
理屈で考えてもらちが明かないことを
それ以上苦しむことなく、
短い時間で、
自分にとってもっともよい結果を得たい、
そんな隠れた欲求があるからでは
ないでしょうか。
日々の些末なことに悩んだ自分に
とらわれることなく、
最適な人生を送りたい。
ともすれば、
憎しみや怒り、
自分への不信にやられた自分をを超越して
より良い人生にしたい。
もっと掘り下げればきっと、
そんな想いにまで届くのではないかと
思います。
そう考えてくると、
何となく、
ピンときて、
直感で、
行動を選択する、
というのは、
もしその能力が磨かれていれば、ですが、
別におかしなことではないのですね。
ただ、それは
結果を保証するわけではありません。
自分が世界を見る前提が
無意識を経て直感に反映されるのですから、
理屈で導いたような明確な答えが
保証されているとは限らないのです。
自転車の乗り方、
泳ぎ方、
字の書き方、
実はそういったものと同じ体得が必要だ、
ということです。
直観力を磨くということは、
どれがあたりが知っているくじ引きに
当たるように
一方的に判断があたる!
ということではありません。
結果の側もまた、
自分の方に寄ってきてくれるようになる、
その認識というか感覚を
自分の中で磨く、ということです。
直感の中に洞察が伴い、
それが結果の受け止め方を
自分に寄り添う方向に導くわけです。
直観力を磨くということは、
単に結果を当てる能力を高めるわけではない
ということですね。
そこには、
圧倒的な調和が既にあって、
それを読み取る能力と
より良い未来へ向けた次の行動へ移るための
考えと能力を高めるということなのです。
そう考えてくると、
直感を磨くということは、
切ったはった、
当たった当たらない、
なとでは済まない、
自分の生き方への洞察力を高める
ということなのかもしれません。
そういう意味では、私もまだ道半ば。
ー今回の表紙画像ー
『昨日の青空はどこへ』
梅雨明けは8月だって?
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