変化と恢復に向けたささやかな心がけ

日々の棚卸

 

昔お世話になった方が、60代の若さで

逝去されました。

 

他界した時の私の父と同じ年齢でした。

 

知人から届いたメール文を見て、

しばし呆然としました。

 

数年前にお会いしたときには、

不愛想だけれど親しみのこもった

いつもの口調で近況を話しておられたのですが。。。

 

かすかな音がして視線を横に向けると、

窓に雨粒があたっていて、

 

季節は異なるけれど、

父の死を耳にした日と同じ天気でした。

 

しばらく感慨に浸った後、

雨の中、買い物に出かけ、

近隣のスーパーに入ったところ、

 

床に水跡ができるほど、

傘からぼたぼたと雨水を垂らしながら、

平然と歩いている人を見かけ、

 

誰かが足を取られて滑って転んだら

危ないなと思いながら見ていました。

 

特に表情に出したつもりはなかったのですが、

すれ違い様、あからさまにじろりと睨まれ、

嫌な気分になりました。

 

家への帰り道、

自動車が大通りから路地へと曲がるところで、

水たまりの水を跳ね上げ、

 

信号を待っていた2人の方の足元に

飛んできました。

 

自動車がきちんと減速していれば、

起こらなかったと思います。

 

自分に害はありませんでしたが、

見ていて気持ちの良いシーンでは、

もちろんありませんでした。

 

立て続けに気になることが起こり、

神経質になっているかなと思い、

気を取り直して夕飯の支度にかかりました。

 

夕食の準備でお皿を出したところで、

手でつかみ損ねた一枚が、

シンクに落ちて割れてしまいました。

 

割れたお皿の破片を拾い集め、

床にまで落ちら細かい破片屑を

掃除機をかけながら、

 

がっくりと肩を落として、

今日は踏んだり蹴ったりだ、という言葉が

脳裏を過ったところで、

 

あれ、と思いました。

 

勝手に自らこの世を去ってしまい、

あれほど腹を立てていた父のことを

懐かしく思い出してしまっていたからです。

 

うまくいかないと思い込んでいた人生の

不快、不愉快、苛立ちの感情を

日々、家族にぶつけてきた父。

 

他界した後も、

心の中で父を恐れ遠ざけていた私は、

何年かの恢復の試みの中で、

 

遠ざける元となっていた感覚を

手放すことができた後、

懐かしく思い出せるようになりました。

 

今回あらためて思い出すにあたって

恐れの感情の “カス”のようなものが

もうなくなっていることを感じられたのです。

 

それ以外のこと、つまり、

 

スーパーの中を傘から雨水を垂らしながら

歩いていた人からじろりと睨まれたこと、

 

自動車が曲がり角で通行人に水をかけたこと、

お皿が割れてしまったこと、

 

そんな小さな出来事ではありましたが、

あまり見たくないことの連続で生じた、

一瞬の不快な感情はきちんと認めながらも、

 

でもそれらはその時に起こったことで、

今はもう関係ないこと、

 

感情をその場に置いてくることができた

ということも、

 

“いつものように”

感じることができました。

 

 

いつ頃から、こんなに楽になったんだろう。

そう思い返してみても、正確に答えることは

できそうにありません。

 

いろんなことを学び、体得を試み、

実践し、うまくいかなくては落ち込み、

 

それでもそのままの状態では辛いから、と、

また試みることを繰り返す、

 

気がつくと、“あの頃”よりちょっとばかり

家族を懐かしみ大切に思える

 

『高み』にたどりついているのかな、と

妄想しています。

 

もちろんこれは、あまり意味のないこと。

(だから妄想(^^);)

 

これまでの試みに対して、

あの頃悩んでいた自分に声をかけるなら、

次のことを伝えたい。

 

そしたらもう少し肩から力を抜いて

楽に回復できたんじゃないかと思うから。

 

★あの頃の自分に伝えたいこと

 

学んだり試みたりしたからといって、

すぐに良くなるなんて期待せず、

繰り返し地道に続けよう。

 

変化は変わった後初めて感じられる。

変わるかな、変わっているかな、と

自らを探るのはほどほどに。

 

過去は勇気をもらうためにあると知る。

勇気をもたらす過去のない人は、

死んでしまった人だけ。

生きている限り勇気をもらえる過去は

誰にでもある。

 

自分の受入れ、自身の行動の変化、

仕事でも奉仕でも何でもともかく

世の中への新しいアプローチ、

この3つを飽くことなく繰り返すこと

 

未来は自己の変化によって明るくなる

 

わかっていても、

つい忘れがちになるんですけどね。

 

ちょっと自戒を込めて書いてみました。

 

ー今回の表紙画像ー

『テナガエビの空揚げ』

今年もそんな季節がやってきました。。。楽しみだな。。。