いつまでも一緒にいたいと思う人はいますか。
仲睦まじい恋人だったり、
信頼する伴侶だったり、
愛する両親だったり、
可愛がってくれる祖父母だったり、
最愛の我が子だったり。
肉親ではなくても、
大好きな友人だったり
力を合わせて働く会社の人だったり、
いつも暖かい声をかけてくれる
隣近所のおじさんおばさんだったり。
人でなくてもいいでしょう。
猫のミイといつまでも一緒に暮らしたい、とか、
この丘から見下ろす海の風景にいつまでも
見入っていたい、とか、
彼の歌声がいつも力づけてくれる、とか。
料理店を経営している人なら、
毎日提供する料理でお客さんを幸せにしたい、
という人もいるでしょう。
愛する存在がある、したいことがある、
そういった人は本当に幸せだと思います。
それは、
窮地に追い込まれていたり、
行き詰っていたり、
孤立感に苛まれていたり、
そんな状態にあったときには、
勇気と居場所を与えてくれます。
心が安らいでいる時には、
至福の感覚をもたらしてくれます。
では反対に、
苦手な人、避けたい人は、いますか。
この人がいなければ、
あの人と接する機会が少なくなれば、
あれとコミュニケーションをとらなくてもよければ、
日常がもう少し楽になるのに、と。
その昔、私にはそんな人がいました。
誰とは言いませんが、そんな類の人。
つまり、
何かとマウントしてきたり、
貶す言葉ばかりかけてきたり、
自分の面倒ばかり見させようとしたり、
怒鳴ってばかりだったり、
いつも誰かに怒ってばかりだったり、
自分は常に恵まれていないと
愚痴ってばかりだったり、
…そうでありながら、
自分は常に正しいと思い込んでいたり、
…そういう人だったと思います。
一方で、私が相手を
“そんな”人にしていたのかもしれない、と
今ならわかります。
私が相手から幾ばくかの影響を受けて
“そう”なるように、
相手も私から幾ばくかの影響を受けて
“そう”なる。
それが幾重にも重なって、
“そんな”人が出来上がる。
私も、
あなたも、
相手も、
彼も
彼女も
あなたの大好きなあの人も
あなたの大嫌いなあいつも。
心の底からどうしようもないほど忌み嫌い、
思い切り苦しめて抹殺してしまいたい、
そんな存在と、
いつも接しなければいけないという人は
そうそういないと思います。
少なくとも、
その感情をそのまま行動に移してはいないでしょう。
イメージに浮かんだ瞬間に
心臓が止まりそうになる、
嘔吐物で器官が詰まってしまう、
気がついたら暴力をふるってしまう、
まれにそこまでひどい人もいるかもしれません。
でも、そんな時はそれこそ、
あなたのその感情は、
特定の1人に向けてではないはず。
おそらくは、
世の中そのものに対して、
どう接したらよいかさえわからなくなっているもの。
先日、四半世紀ぶりに旧友たちと
会う機会がありました。
私と同年代の人は知っている、
いえ、未だ人気のユーミンが
1981年にリリースしたアルバム、
『昨晩お会いしましょう』に収録の
“グループ”に謳われているように、
会うだけでその頃の楽しい思い出がよみがえる
素敵な奴らもいれば、
その頃はちょっとどころかかなり苦手だった
輩も来ていました。
でもね、一つだけ言えるのは
みんなジジババ、いえ、これは失礼、
皆が平等に年を取って、
見た目もそれなりになって、
誰彼となく尖った部分が小さくなって、
気が合う奴は会うなりに、
今一つ苦手な奴もそれなりに、
人との距離の取り方に気を使っているのが
伝わってきました。
みんな苦しんでいたのかもしれません。
えっ?
その程度ならいいって?
確かに
毎日顔を合わせる上司や、
借金と暴力に明け暮れた父親が、
“そんな”人だったら、
『心の底からどうしようもないほど忌み嫌う存在』
になりかねません。
でも、それでも、です。
私たちの人生を私たちの望むように生きやすくするためには
一つだけ守った方がいいことがあります。
みんな、いつかこの世からいなくなってしまう、
そう理解すること。
???ですよね。
あなたにとってその人が忌み嫌う存在だったとしても、
相手を変えようとする前に、
自分が受ける影響を最小限にする行動を
とってみてください。
会ったり言葉を交わしたりすることが無理なら、
距離を取りましょう。
それもダメなら引っ越すなり、
会社を移るなりしましょう。
相手のためじゃないんです。
あなたの中の怒りや哀しみ、憎しみや辛みを暴走させたり、
それに貴重な時間を費やしたり、
場合によっては、
あなたの魂を病ませてしまったりしないためです。
人から影響を受けるということは、
自分自身からも影響を受けるということ。
ただ、自分は相手の影響を
増幅させることも小さくすることもします。
自分を変え、
環境を変え、
相手に自分の感情と情動の時間を取られることなく
自分を生きていくことを心がけると、
幾ばくかの時間が経ったとき、
世界があなたの中に至福の記憶を蓄えてくれます。
みんないなくなってしまうんです。
いつかこの世からいなくなるんです。
私も、あなたも。
例外はありません。
その間を充実させるためにできることってありますよね。
最初はきっと空回りだけど、
少しづつ、繋がれるようになります。
親しい相手だけじゃない。
嫌な奴だって、所詮一時の仲。
私たちが生きられる時間は短い。
人生は短い。
どの感情を選択しましょう。
どの行動を選択しましょう。
どんな人生を選択しましょう。
ー今回の表紙画像ー
『鎌倉夕景 R134から三浦半島を望む』
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