プライオリティ。
優先順位という意味です。
仕事であれば、
例えば会社の営業なら、
メールチェックの時間帯、頻度、方法
お客様へのアクセス頻度、方法、
営業会議のプレゼン資料の準備、
上長への報告粒度、
担当地域の売り上げ解析、
競合他社の動向解析
半期の営業計画
などなど
そういった幾つもの業務を、
現場社員だったり、
係長、課長、部長などの立場ごとに
検討し、優先順位付けをすると思います。
ーカーの研究者であれば
テーマ調査、選定、将来像の構想、
将来像へ向けた計画・マイルストーン、
ケーススタディ、ミニマム検証、
各トライアルの期待値計画、
特許網構築と取得、
自社商品への展開検討
などがあるでしょうか。
もちろん他にも、
予算確保、部門調整など、
三遊間を埋めるような
幾つもの関連業務があって
それらのどれに特に力を入れて、
どれを流し、
といった優先度をはかっていくことが
行われているはずです。
これが、
仕事を離れて家庭に目を向けると、
そこにも多くの指標があると思います。
昨今はなかなか難しいかもしれませんが、
朝食または夕食は家族そろって食べる、
月に一度は家族そろって出かける、
子どもの門限やお小遣い、
夫婦の時間を最低でも何時間か確保する
反対に一人の時間の確保、
いつまでにマイホームを購入する、
自動車の買い替えの時期、
…
きっと家族の数だけ、考えること、
優先順位が存在するのでは
ないでしょうか。
いえ、仕事や家族以外にも
個々人の生活、趣味、
その人が考える人間関係、
そして生き方など
それぞれの領域における
優先度というものがおそらく
存在するのだと思います。
★
さて、つらつらと
優先順位に関する例を書いてきましたが、
その内容が本当に正しいのかどうか
実は私にはわかりません。
昔の自分、あるいは周囲の人々を
思い出して、
おそらくこうだろうなということを
書いてみたにすぎないのです。
なので、
本当に上記で書いた粒度でよいのか、
優先度の候補として掲げた項目が
正しいのか、
と問われると、
まあ、こんな考え方もありますよ、
という答えになります。
そしておそらく、
そう答えるでしょうと述べた意図は、
そういった日常の中で
無意識も含めて行われている
優先順位付けというものには、
もう一つも二つも上位の視点を
“とりあえず”仲介として考え、
その上で述べたいことがあるからです。
上位の視点とは、
いわゆるメタ視点というものですね。
よく使われる比喩としては
バードアイ、つまり町なら町の上空を
飛ぶ鳥の視点から眺めることで
俯瞰的に状況がつかめる
ということで、
そういった視点から優先順位をつけることが
有効だということが、
随分前から言われるようになっています。
日常の些事に追われて
目の前の幾つかのことを
優先順位をつけてこなす前に
それが本当に必要なことなのかどうか
優先順位の視点は正しいのかどうか
などといったことを、
総合的に勘案してみる、というような
考え方です。
上位の視点というと抽象的というか
解がぼやけてしまう感じもしますが、
もう一つ上の視点から、
どう生きるか、生き方の基準なども踏まえて
優先順位を考えてみようということです。
例えば、
夢を追う人生がもっとも大切と考えるならば、
その位置を中心に
そこから何は行うが何は行わない、
行うことの中ではどれとどれを優先する、
そこに仕事や私事の境は作らない、
などとなっていくのかもしれません。
夢を追う代わりに、
家族を大切にする、というのもあるでしょうし、
お金がもっとも大切、
自由を確保すること、
社会的な名声を得ること、
所属感などというのもあるのかもしれません。
★
メタ視点というのはある種
『ロジカル』な『考え方』のことだと
思います。
だから、ある種、
心の安定が確保されていたり、
特定の状況下では有効に機能する
のではないかと思います。
一方で、
『うまく生きられているのか』
という観点からは
メタ視点を取り入れたどのくらいの人が
うまくいったのだろうかと思うことがあります。
もし、俯瞰的な視点を取り入れて
優先順位を設けて動いても
行き詰ったり、しっくりこなかったり、
というのであれば、
こんなことを検討してみてはいかがでしょう。
それが今回のテーマなのかな。
つまり、どういうことかというと、
許すこと、
なつかしさ、
意志を手放すこと、
祈ること、
といったことを、優先順位の項目に
掲げることです。
およそ、優先順位の項目としては
これまで聞いたことがないのでは
ないでしょうか。
さきに、
どのくらいの人がうまくいったのだろうか、
という問いかけをしました。
きっと、うまくいっている人は
うまくいっているでしょうし、
ある程度のところまでは
うまくいったのかもしれません。
問題が起こるのは、
そこにエラーが発生したときです。
端的に工夫してもうまくいかない時
と言い換えてもいいかもしれません。
私たちは、時に無鉄砲だったり、
反対に石橋をたたきすぎたりして
壁にぶつかります。
その壁が生じたところで
回避するなり突き抜けるなり
できればいいのですが、
多くの人がそうすることができず、
それをして「うまくいかなかった」と
言ってあきらめてしまいます。
でももしかするとそれは、
新しい優先順位項目を加えれば、
うまくいかなかったという解釈の指標は、
実は、新しい、一つの、
方向指示器となるかもしれません。
優先順位に含むべきは、
当然ながらあなた自身が大切にする価値です。
そして大切にする価値には必ず
自らを大切にすることを含みます。
それは優先順位をつけて
何かに取り組んで、
どうしてもうまくいかなかったことをも
リスクに入れて、
その上で何をどうとらえてどう選択するか
といったことの指標をも
優先順位に含めることの必要性へと
繋がるのだと思うのです。
そこには、
ある特定の優先順位のもとでは
うまくいかない自分をどう受け止めるのか、
そして先が見えない中でどう動くのか
といったことであり、
それらは、
やることの選択肢が固まっている状況とは
限りません。
そしてそこにこそ、
あなた固有の生き方の真髄が含まれている
とするなら、
どのように“優先順位”を設けるかと考えると
自ずと見えてくるのではないでしょうか。
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