見たくない自分の性癖がある、
という方は少なくありません。
見たくない、だけでなく、
何とか捨ててしまいたい、
消してしまいたい、
そう感じてもいるかもしれません。
見たくない自分の性癖…
例えば、
度を超えて独りよがりだったり、
身勝手だったり、
せせこましさ、
気の小ささ、
気の短さ、
がめつさ、
緊張癖、
苛立ち癖、
悲嘆癖、
……
挙げればいくらでも出てくるかもしれない
自分の儚い理想とかけ離れた、
時には痛いしっぺ返しまで起こる性癖を
何とかしたい、と思い悩みながら、
どうにも変えられなくて、
事が起こるたびに落ち込んでしまう、
最初は周囲を問題視してたけれど、
それが何度も繰り返されるうち、
どうやら自分の性癖に問題があるのかも、
と感じて、
そんな性癖が暴走しないように
日々気を付けるようにしているにもかかわらず
気がつくと出てしまう、
そんなことが続くことで、
どこにも自分の居場所を感じられず、
人と会うことまで憚られるようになる、
そんな状態の方、
実は意外に少なくありません。
その性癖は、もしかしたら、
家庭で親から受け継いでしまった
ものかもしれないし、
大人になる過程で
学校や友人関係を通じて学習してしまった
ものかもしれません。
上司からの叱責を何日も胸にため込んで
落ち込み続けては
世の中がそれ一色で埋めつくされたかのように
振舞ったり、
電車やスーパーの人混みで
ちょっとした他人との接触に
すぐ苛立ちを覚えたり、
日々やるべきことをコツコツとこなしても
たった一つの失敗で
自分はやっぱり何もできないと無力感に陥ったり、
となって、
人生そのものに生きづらさを感じるように
なってしまっている…。
★
もしその性癖を手放せるなら、
もしかすると手放すことも一つの手かも
しれません。
ただここでは、そうではない考え方を
お伝えしたいと思います。
人は意味のないことは行いません。
一見、無価値だったり、
無意味だったりすることの中にも
無意識や過去の忘れ得ない出来事をもとに
考え、言葉を発し、行動します。
それは行動だけでなく、
思考だけでなく、
感情もまた同じです。
あなたが世界をどのよう見ているかによって
何を感じ、どう振舞い、誰に何を言うか
も変わってきます。
あなたは叱責を受けるだけの人ではないし、
何があってもそこにいる運命でもないし、
自由に仕事を選ぶことができます。
あなたが人混みにいるのは自分の選択で、
同じようにそこにいる人々の一部で
あなたと同じお仲間とも言えます。
誰でも必ずしてしまう
「よりによってこんなところで」
失敗したからといって、
あなたが無力だというのは、
冷静に考えれば馬鹿げてもいます。
でも、
あなたは落ち込むし、
あなたは苛立つし、
あなたは無力を感じるんですよね?
ならば、そう感じるあなたをしっかりと
胸に感じ取ってみてください。
その落ち込みの
その苛立ちの
その無力感の裏側に、
本当は何を見ているのでしょう。
何もないということは考えづらいのです。
なぜならその感情が固定されていて、
日々が生きづらくなっているのですから。
落ち込んでいるあなたの感情の奥は
苛立っているあなたの感情の奥は
無力感を感じているあなたの感情の奥は
いつのどんなシーンに
つながっているでしょうか。
そこにはもう一人のあなたが
間違いなく存在しているはずです。
きっと、たった一人で“そこに”
佇んでいるのではないでしょうか。
そこにいるあなたと会ってあげてください。
できることなら、
もう一度そこにいる
あなた自身になってみてください。
そこにいるあなた自身になることは
とても寂しく哀しく辛いことのように
感じてしまい、
とてもそんなことできない、
やりたくない、と
思われるかもしれません。
ですが、
置き去りにされたあなたに戻ることは
昔のあなたと今のあなたの邂逅です。
これができるのは、
どこか遠い昔に放ったらかしにしたまま、
佇んでいるあなたに会うことができるのは
他の誰でもない、あなただけです。
自分の感情が自分自身を
必要以上に苦しめることはありません。
だから
うまくくように試してみてほしいのです。
そしてなぜ今もそこに一人で佇んでいるのか
感じ取ってほしいのです。
きっとその時のあなた自身にとっての
大切な想いが渦巻いているのでは
ないでしょうか。
そのあなたを今のあなたが認めて
あげてください。
これからは一緒にいる、と。
これが創造的に運ぶと、
得も言われぬ生きるエネルギーが
身体の内に湧き出でようとするのを
感じ取ることができるようになります。
当たり前と言えば当たり前なんです。
認められず、見つけてあげられず、
放置していたもう一人のあなたが
今のあなたと一体化されるのだから、
一体化されたあなたから新たな
エネルギーがもたらされるのです。
誰のものでもない、
あなた自身でしかありえない、
あなただけのパワーの源なんです。
あなたが切り離してきたのは、
あなた自身であり続けるための
欠片であって、
切り捨てていいものではないんです。
感情を手放すとは、
どこかにぽいと放り投げることではなく、
そっと胸の奥に大切な時間の一部として
位置付けることです。
これがしっかり行われると、
突然の感情に襲われたかのような、
日々の混乱がなくなります。
放置していた自分自身の感情が
追いかけてくることがなくなる
からです。
★
あなたがあなた自身に対して巧妙に隠していた
もう一人のあなたとの再会を
怖れず試みてください。
見つけ出したもう一人のあなたと和解して、
一緒に生きていくことをイメージして
一体化してください。
飽くことなく、
繰り返し続けていくと、
自分という一つの存在自体が、
とても素敵なエネルギーの泉であることを
感じることができ、
それがまた生きるパワーとなって、
あなたを勇気づけてくれます。
私たちの体がそうであるように、
私たちの心、感情もまた、
不要だ、みっともない、などといって
おいそれと切り離して良いものでは
ありません。
何物にも代えがたい、
もう一人のあなたとの邂逅を
願っています。
ー今回の表紙画像ー
『蛸の酢の物』プチマイブームです。
やきとりと
サラダで
一杯。うんま~い。
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