生れ育った土台が人生に与える影響から、
人は平等ではないと言われます。
人は、人生は、決して平等ではない。
この言葉を、別の側面から考えてみた、
というのが今回の話です。
★
生れ育った土台とは、
その家で使用可能な財産・お金とか
両親の性格や仲の良さとか
隣近所との接し方とか、
凝り固まったプライドとか、
暮らしている地域の文化・風習とか、
生きることに対する考え方とか、
人生観とか、
学校で出会った教師や友人とか、
いわゆる社会的な成功を得るために
必要とされる要素のことです。
少々かたい表現になってしまいましたが、
与えられた土台が悪いほうに影響すると、
自らが選択したと全く意識できないまま
『今ここ』を生きようとするたびに、
これ以上選択肢がないよと思えるほどの、
ハンディや罪悪感や引け目を
感じさせることが起こります。
それほどまでに自分は、
力がなくて、
努力が足りなくて、
結果を出せていないのかと落ち込み、
昔からの友人知人や周囲の同僚の言葉に、
ほとんど人間的に劣っているかのような
惨めさを感じてしまうことさえある…。
誰にでも背負う十字架があるにせよ、
自分がそれほど力不足で努力不足で
壁を乗り越えられずに生きてきたのかと
自分に対する不信が募り、
返す刀で世の不実に憤り、
それがまた自らに対するダメ出しを行う
負のループに入って
いたりしないでしょうか。
★
どこまで自分らしく生きようとしても、
苦しみが続くのであれば、
それが仕事のことであっても、
人の関係のことであっても、
お金のことであっても、
今一度立ち止まって、
自分の歩んだ軌跡を
見直す時間が必要です。
よく言われるような、
他人との比較は無意味、とは
ここでは言いません。
この世の中に生きていれば、
どうやったところで、
目に入る人、
言葉を交わす人、
昔なじみの人との比較は、
行ってしまうもの。
そこで、
自分が歩んだ軌跡を見直すことが
必要になるのです。
あなたが生まれ育った土台は
どういったものだったでしょう。
その土台一つ一つから受ける影響に
あなたはどう感じていたでしょうか。
どうせなら、思い切り、
周囲と比較してみてください。
大人になった今なら、
それができるはずです。
その上で達成したものを
並べてみてください。
達成したことの最たるものは、
ここまで何とか生きてきたことで、
たとえどんな人にも、
これ以上に偉大なことはありませんが、
そこまでいかなくても
小さなことは達成しているでしょう。
自活している、
自炊している、
試験に受かった、
資格を取った、
好きな場所へ旅行した、
映画を見て感動した、
…。
私自身はと言えば、
自分が“今ここ”に『いること』が
できるようになったことが大きかった。
“今ここ”よりも、『いること』を
強調していることにご注意を。
あれからずいぶん時間が経ちましたが、
昨日のことのように思い出します。
問題ではなく、機会に焦点を当てよ、
とは前回も書きましたが、
焦点を当てる場所を間違えたままでは、
人生は決して良くはなりません。
他者と接することなく生きている人は
ほぼ皆無でしょう。
とくに会社勤めの人は毎日
誰が彼かと顔を合わせ、
コミュニケーションを取り、
日々を過ごしています。
その中でつい、
マウンティングされたり、
一方的に断罪されたり、
ということが繰り返し起こるのなら、
あなたが自分自身をどう扱っているかを
振り返ってみてください。
★
生まれ育った土台を否定することなく、
もっと言えばそこで一緒に時を過ごした人を
頭から否定することなく、
それでも自分自身の人生を生きるには、
順序があると思います。
自分を認めることの大切さはつとに言われますが、
それは自身に言い聞かせるだけでは十分じゃない。
何度も書いていますが、
そこに居ることが当たり前であることさえ
当たり前だった一つ一つの原風景、シーンを
しっかりと感じなおすこと、
遠ざけていた自分を受け入れ続けること、
そして今回書いたように、
自分が歩んできた道を自分に寄り添うように、
今一度見直すこと。
物理的なハンディもあれば、
感情的についていけないハンディもあったはず。
でもそれら“こそ”が、あなたの大切な一部として、
あなたをあなたらしく支えている、
それほど愛おしく寄り添ってくれるあなたの一部を
受け止めてあげたるためにできる見方を
今回述べてきました。
お金がない中で
ひどい衝突ばかりが起こる環境で、
自分が何とかしようとしてできなかった結果に、
つい打ちひしがれてしまうかもしれません。
でも、振り返ってみてください。
こんなこと、他の人はやっていましたか?
あなた以外の誰かがそうやって生きてきたことを
目の前にしたら、
ここまで本当によくやってきた、と
一言伝えたくなりませんか。
ハンディはそれを乗り越えた時、
アドバンテージに変わります。
今ここまで生きてきたということは、
それ自体がアドバンテージの一部です。
これから莫大な刈り取りの季節が訪れます。
へとへとでは、
疲れ切っていては、
打ちひしがれていては、
その刈り取りさえままなりません。
変わるのは、
何を始めるかの前に、
何をやめるかを決めること、
と言われます。
新しい見方を身に着けるには、
まず生まれ育った土台を振り返り、
自分が達成したことを見直し、
そこまで生きてきたことを肯定してみて
ください。
同時に、
他者との比較の中で、
同じ土台に立った無意味な自己卑下が
意味がない子を理解してください。
あなたが乗り越えてきたことは
それほどに大きい。
それがわかると、
少しずつ、確実に力が湧いてきますよ。
ー今回の表紙画像ー
『海上自衛隊 Freet Week』
横須賀の方に釣りに行ったら、やっていました。
日曜の夜だというのに、随分人が出ているなと思って、写真を撮っている人に聞いたところ、数年に1度?実施しているとのこと。珍しくて私もパチリ。巡回中のおまわりさんもパトカーを降りて写真を撮っていました。
台湾ガザミが取れました。ワタリガニの一種です。おいしいよ。
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