仕事でミスをして焦ったり、
職場の同僚や友人との関係がこじれたり、
といったことは、誰にも起こりえますが、
だからといって、
日常が不幸一色になったり
未来に絶望するわけではありません。
ごく当たり前のことですが、
その一方で、
なぜか仕事のミスが続いたり、
同僚や上司から疎まれてばかりだったり、
望んでもいないのに孤独に苛まれていたり、
といった人が少なくないのも
また一つの事実。
うまくいってないと感じる時は、
なぜかわからないけど
それが長く、下手をすれば一生続くようにさえ
考えてしまい、
やりきれなくなってしまう。
お読みになってお分かりの通り、
何度か
“なぜか、そうなってしまう”
というニュアンスを入れました。
もしかすると、
『今いる世界』そのものに対して
疑いの目を持っていて、
それでいて、そのこと、
つまり、
『今いる世界』に疑いの目を持っていることを
認識できてないことがおきている…
のかもしれません。
わざわざ、『今いる世界』と書いたとおり、
人も仕事も生じるパターンも人の認識も、
世界はあなたが認識するだけあって、
表層的な見方から、
体の奥底で感じ取ることまで、
その人ごとに様々です
その様々な中から、
今の自分の“感じ方”に、
最も都合の良いものを抽出して
当てはめていたりするのですね。
自分を肯定することと正当化することは
真逆、正反対ですが、
今の自分を肯定できているところがあり、
今の自分を正当化するところがあって
それらが綯い交ぜになって
あなた自身の世界を作り出していて、
それが最初に書いたように
仕事のミスが続いたり、
同僚や上司から疎まれてばかりだったり、
望んでもいないのに孤独に苛まれていたり、
と言った状況を導いている、
という意味です。
良いとか悪いと言っているのでは
ありません、念のため。
私たちは
表層的に感じる感情や状況の正しさを
その根底にある根源的な何かを隠すために
正当化することがあります。
これ以上ないほど完璧に練り上げた
考え方のロジックを作り上げて、
今の現実に対して湧いている表層的な感情が
いかに正しいかを裏付けようとします。
その昔、カウンセリングを受けていた頃、
私はこのことを突き付けられて
胸が苦しくなったことがあります。
まるで自分が悪者の指摘を受けた
気がしたからです。
もちろんそんなことはなかったのですが、
それほど当時の私の心理構造というか
感じ方のカラクリを読み解かれたことに
“ショック”を受けていたのかもしれません。
表層的に感じる感情で隠された根源的な何か
とは何だろう、
という問いかけだと理解したのは
それから数回の面談を経た後のことでした。
当時の相談相手は、
毎回行われる冷静な、でも柔らかい口調で
行われるコミュニケーションの中で、
当人にとっては、
表層的に感じる感情で根源的な何かを
隠そうとすることが、
例え息苦しいものであったとしても
当座の生活を守るためには
良くも悪くも手段の一つ足りえるからこそ、
行われるのだ、
という説明を聞いたのは、
さらに数回の面談の後のことでした。
必要は発明の母、ではありませんが
人は無駄なことは行いません。
つまりは、
その行動には、
その考え方には、
その感じ方には
何某かの暗喩があるわけです。
★
私たちの中には、往々にして、
エラーが含まれています。
自分という存在自体が、
ある世界の中で感じ方
(=受け止め方と反応)を
決めていて、
その世界の中には、
自分より力の強い存在や、
自分自身のその時々の信念もあるわけですが、
それらは急には変わらないし、
無理に変えられるものでもありません。
特に、親や上司や会社や社会全体、
といった大きな存在は、
おいそれと変えられるはずもなく、
そんな時、私たちは変えられない絶対軸と
自分の中の感情、考え方の状態の間で
バランスをとる必要があります。
そこに登場するのがエラーと言う存在で
今感じると都合が悪い感情や考え方を
なかったことにして、
今現在の自分が周辺の環境に合わせて
機能するように仕向ける、という仕組みです。
エラーと呼びましたが、
そういう意味で言うと、
多分に意図的な意味合いがあるのも事実です。
当然ながら、
蓋をして本来の感情や考え方をスルー
しているわけですから、
そこに息苦しさ、生きづらさ、行き詰まり感が
存在するわけで、
それらが周囲の人や環境への怒りや
自らの至らなさへ向けられると
自分を蔑んだり貶めたりする
ことになってしまいますし、
長じて、
鬱や神経症、適応障害などの
メンタル疾患ともつながってくることに
なるわけです。
よく比喩されるように、
子供の頃に足に鎖をつけて繋がれて
育ったゾウは
大人になってその鎖を十分外せる力を
持っているはずなのに、
思い込みと言う名の鎖が、
世の中のどんな鎖よりも太く頑丈に感じられるのか
そこを動こうとしなくなります。
ゾウの鎖と同じように考えられるのは
甚だ面白くないかもしれませんが、
生育過程で身につくことが多いのが
これらのエラーであって、
その奥に隠してしまった本音と言う名の感情は
早く気付いいて認識できると
人生が生きやすくなります。
苦しいなら、変えることは出来るんです。
ただ変える過程では
世間の評価に引きずられないようにしたいものですが。
あなたの答えは、本やメディアの中にはありません。
もちろん、このブログそのものの中にも。
あなたの中にあるものをあなた自身が
あなたとじっくりと対峙する中で
取り出していくことにつきるのです。
焦らずに、
でも
放り出さずに、
やっていきましょう。
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ー今回の表紙画像ー
『とあるビルの屋上より山間を眺める』
ちょっとだけ涼しくなってきました。
真夏に出向いた鹿児島。鶴丸城より。
すぐ横にある西郷隆盛像。
古い時代と新しい時代を繋ごうとした人なんだなあ。
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