人生に行き詰って、
今を何とか変えようとしていたり、
反対に、
順調に人生の航路を進んでいるような
場合であっても、
自分なりの
新しい世界を望み、
新しい世界を想い描いて、
そこに向かう時が、
誰しも一度はあると思います。
その前に、
新しい世界と言うと、
何を連想するか、意味するか、から
始めてみましょう。
例えば、
進学や就職で親元を離れ、
一人暮らしを始めるとします。
新しい世界で変わることとしては、
まず、
学校や会社、つまり所属先ですね。
それまでとは異なる、
あるいはそれまでにはなかった
組織の中に入るわけですね。
暮らす場所も変わりますね。
親元から近いか遠いか、とか、
部屋がアパートやマンションであれ、
一軒家であれ、
住み慣れた家を離れて新しい部屋
― 自由である代わりに
何から何まで自分で行う必要がある ―
暮らす場所の変化があります。
当然ながら行うことも変わるでしょう。
より専門的に、
よりハードに、
より裁量が大きく
なることが多くなると思います。
裁量が大きくなるということは、
責任も大きくなることも意味しますね。
あるいは、
転職のように責任を背負いたくても
背負えないような埋もれた状態から、
少なくとも自分が
もっと自分を発揮できるように
新しい世界に行くのであれば、
そこでもやはり、
同じこと、つまり責任が大きくなる、
と言えると思います。
留学やホームステイなども
挙げられるかもしれません。
暮らす国が変わり、使用する言語が変わり、
文化が変わります。
仕事だけでなく、
人の関係の変化もあるでしょう。
結婚や離婚も同様です。
暮らす場所が変わり、
付き合う人や親しむ相手が変わります。
本当に、
新しい世界というのは人の数だけあって、
いえ、
人の数の何倍もあって、
所属する場所、居る場所が変わり、
取り巻く人々が変わり、
責任が変わります。
★
結婚や合格、就職のような
一般的にはおめでたいことから、
離婚や破産、解雇のような辛いことを経て、
新しい世界に向かう場合まで、
選択は当然ながら自分で行います。
おめでたいことであれば
期待もあって
胸がドキドキするでしょうし、
辛いことなら
ある種の諦念とともに踏ん切りをつけて
実行することになるわけで、
後者の場合はなかなか
気持ちがついていかないことが
あるのは仕方がないかもしれません。
しかし、
本来なら嬉しいはずの前者、
つまり傍から見れば
おめでたいはずのことでさえ、
歓びの感情に乏しく、
なぜか気持ちがのらないどころか、
不安や怖れに包まれてしまう、
そんな方もおられます。
これはフランスのデュルケムが唱えた
急性アノミーがもたらす状態と
ダブル部分があるかもしれません。
急性アノミーとは、
社会の中における自分の立ち位置が
急激に変化して、
既存の価値観や規範、
そして社会との連帯が失われて
社会も当人も混乱する状態です。
ここで取り上げたおめでたいことは、
もたらされるものではなく、
当人が選択したにもかかわらず、
生じる“症状”のようなものを指します。
例えば、
就職で一流企業の所望した部署に配属されて、
給与も知名度も抜群、
得意なはずの専門を業務としている、
といった場合であっても、
やはり喜びや達成感、ヤル気、選ばれた感などが
全く感じられないまま、
自分はここで何をやってるんだろう、
といった感覚に基づく、
恐れと不安ばかりに包まれて
困惑した状態が続くのであれば、
それを喜ばしいこととして
自分の中で意味づけているはずの
世界自体が
自分の中で崩れてしまっていないか
確認した方がいいかもしれません。
少なくとも、
なけなしの意志の力を振り絞って、
恐れや不安の感情を押し殺したまま
この状態は喜ばしいことなのだと
自らに強制的に言い聞かせながら、
生きることで
せっかく自分の内側から湧き出てきた
自分のためのメッセージを
無視してしまうことになるからです。
私たちの感情はある前提のもとに
湧き出でていきます。
極端な例になりますが、
素敵なマイホームを購入する夢を
実現したとしても、
その周囲が町ごと某国の爆弾で破壊され、
電気や水道のインフラ、食
糧事情や治安の悪化が生じれば、
マイホームが購入できて嬉しい、
などとはならないのではないでしょうか。
先の就職の例でいえば、
喜ばしいはずの裏側で、
自分が望んだ歩みが
ある種の前提のもとにあった場合、
例えば、
付き合っている女性と
結婚するつもりだった、
原家族を幸せにしようと
頑張っている過程だ、
良い成績を収めてきた内容は
自分の性分にあっている、
などは、
結婚予定だった彼女が
去っていった、
両親の不仲が一線を越えて
家族がなくなった、
実は仕事内容は
好きでも何でもないことに
気づいてしまったけれど、
他に何かを身に着ける元気もない、
と言った時、
喜ばしい気持ちなど湧き出てくる
はずもありません。
裏を返せば、
自分、または
自分を含めたもう一人の誰か、
との関係性が成立しているからこそ、
新しい世界は自分にとっての
歓びと期待に満ちた世界に
なり得るわけです。
それが崩れ去って、
不安と怖れの感情に
苛まれているということは
意志の力の限界を超えたところに
来てしまったということです。
もしあなたがそんなケースに
当てはまるならば、
今やろうとしていること、
努力して進もうとしていること、
達成したいと思っていることが、
何のためなのか
振り返ってみることをお勧めします。
また、その際、平安の祈りは
とても有効な祈りになると思いますので、
以下に記載します。
神様、私にお与えください。
変えられないものを受け入れる落ち着きを
変えられるものを変えていく勇気を
そして、二つのものを見分ける賢さを
ご存知のように、私たちは、
一人で生きているわけではありません。
大切な誰か、大好きな誰かとの
暗黙の幸せの世界を実現することを
生きる指針としているのだと思います。
真摯に、落ち着いて、
あなたの本音と現実との差を
しっかりと受け止めてみましょう。
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ー今回の表紙画像ー
『ウナギが採れた』
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